シャント外来

手術について

手術費用について

■血液透析導入前の患者さんの場合
身体障害者手帳の有無、年齢等により異なりますが、
内シャント造設術:負担なし~10万円弱 / PTA:負担なし~7万円弱
■血液透析導入後の患者さんの場合
負担なし~2万円
※各種受給者証のご提示が必要です。

バスキュラーアクセス(VA)について

「シャント」という言葉は、「透析のために血液を出し入れする場所」の代名詞として、透析室で頻繁に使われることが多いかと思います。
近年、カテーテルや、動脈への直接穿刺など、従来のシャント(動脈と静脈を手術でつなぎ合わせたもの)以外の方法で透析を行う比率が以前に比べて高くなってきているため、これらの、「透析のために血液を出し入れする場所」をバスキュラーアクセスと呼ぶことが増えてきました。

■内シャント

動脈と静脈をつなぎ合わせて動脈の血液を直接静脈に流す形にしたものです。(かつて、体外にチューブを出して作られた外シャントに続いて開発された手術方法であり、区別するために内シャントと呼ばれています)
日本では約90%の患者さんがこの方法で透析をされています。
新規手術の場合、手術時間は約1時間です。
手術後5年で、約半数の患者さんは同じシャントを使い続けることができます。
中には20年以上使い続けている患者さんもいらっしゃいます。

■人工血管内シャント

皮膚から浅いところにある血管が細い場合など、人工血管を使って内シャントを作る方法があります。現在、透析患者さんの1割弱ですが、徐々に増えてきています。
手術時間は約2時間です。
現在一般的に使用されている材質は2種類あります(ポリウレタン製とe-PTFEいわゆるテフロンの商品名で知られている素材です)。それぞれの利点を生かした選択をしています。
人工血管の利点として、穿刺しやすいこと、血流を比較的確保しやすいことがあげられます。
欠点は、ご自身の血管に比べて、感染に弱いことと、患者さんによっては長持ちしにくい場合があることです(1年後に閉塞しないで使い続けられるシャントの割合が50-90%とされています)。特に、人工血管と自己血管とのつなぎ目が狭くなりやすいので、定期的なチェックをお勧めしています。

■上腕動脈表在化

心臓の機能が低下している方はシャントを作る事ができないため、返血用の血管がある場合には、肘から二の腕あたりの動脈を、皮下の浅い位置へ移動させる手術を行います。この手術により、透析の針を刺しやすく、針を抜いたときに止血しやすくなります。
欠点は、繰り返し同じ場所に針を刺すことで、皮膚が薄くなり止血困難となる可能性があることです。

■カフ型カテーテル

心臓の機能が低下し、充分な太さの静脈が皮膚のすぐ下にない場合、内シャントの作成も動脈表在化も行えないため、長期間使用できるタイプのカテーテルを使用します。右(または左)の首の静脈にカテーテルをいれ、カテーテルの感染を防ぐために、長めに皮膚の下を通し、右(または左)鎖骨の下に、脱血、返血する部分が出ている状態にします。入浴は出来ますが、カテーテル出口部を清潔に保つケアが必要です。トラブルが起こらなければ、継続して使用できますが、感染や閉塞などで、入れ替えが必要となることも多く、平均で約2年間使用できます。(当院ではカテーテル新規、入れ替え、抜去は行っておりません)